モンテッソーリ

モンテッソーリのお家

園庭では梅の花が咲き誇り、日に日に春が近くなっているのを感じるこの頃です。
3学期も、あとひと月あまりになりました。
できることだけでなく、気持ちの面でも子どもたちの成長を感じています。

モンテッソーリの家でも季節や子どもたちの力に合わせて、3学期から新しいお仕事(機織り・色水作り・ランチョンマット作り)が加わりました。

 ❁ 機織り(はたおり)
機織りは数日かけて織りあがるので、根気と集中力がいるお仕事です。
機織り機は年中長の各クラスに5~6台置き、朝や帰りの身支度後や昼食後など、少しの空き時間に織り進めたり、自主活動中にはモンテッソーリのお家に持ってきて行っています。
 規則正しい動きだけでなく、毛糸を杼(ひ・木の棒状の物)に巻いたり、毛糸を変えるときには切ったり玉結びをします。始めは教師に玉結びを教えてもらっていた人も、何度も糸を変えることで自分の力で玉結びもできるようになるのですから、素晴らしいお仕事です!!
 織りあがったら、長い毛糸で三つ編みを作り、ポシェットになります。

クラスでも毎日こつこつと織り進めて…
2本どりのなが~い毛糸を三つ編みに…
編み目がくるくる回らないように3色の毛糸を均等の力で持ちながら編むのはとても高度な力。
三つ編みにはまって、三つ編みだけを何本も作る人もいます。
「わたし20本作るの!」
「昨日家で数えたら23本あったから1本あげる♡」
最後の仕立ては教師が行います。
朝出来上がって、迎えを待っているポシェットたちが並んでいます。
子どもたちそれぞれの好みの色で織られた作品たちは、どれも素敵で
世界に一つだけの唯一の物!!

 年少さんたちは、”紙織り”のお仕事。

こちらは2枚作り、取っ手用に紙で三つ編みを折り、バックにします。
機織りの杼(ひ・毛糸を巻いている木の棒のこと)の動きと同じ動きで、
好きな色の細い紙を専用の棒を使って織っていきます。
機織り予備軍たちです!!
三つ編みの動きを知り、丁寧に折る

❁色水作り
 赤・青・黄色の色をスポイトで好きな量を試験管に入れ、できる色を楽しみます。

「黄色と赤で…オレンジ色!」
「こっちの方がうすいオレンジ色」
「青を入れると…」
終わったら、試験管も濯ぎきれいにします。
試験管の半分くらいまで水を入れるのには、慎重…
集中力と力加減も重要!

その全段階で、注ぐというお仕事も繰り返し行っている子どもたち。
いつだって真剣です!

これ以外にも毎日の昼食で水筒からコップへお茶を注ぎ入れている子どもたち。
生活の端々で行っている何気ない動作は、
すべてどこかで生きてくる子どもたちにとっての大切なお仕事です!

❁ランチョンマット作り
 今まで紙や布の印の上を縫っていた年中長さん。
自分の力で縫う体験ができるものはないかと思案していました。
フエルトを2枚重ねで縫うのには厚すぎるし…とそんな時、保護者から布の寄付をいただきました。これを何かに……始まったのがランチョンマット作り!!

中表の布の両端に縫い線を書いておき、
針は「差し入れ隣に出す」のをひと動作にし、
1・2・3・4・5・6・位まで進めていく人もいました。
最初は荒い布目も、長いを辺を2回も縫う内に細かくなっていきます。
ちょとくらい縫い目があらくても、ガタガタでも
根気よく取り組み、最後までやりきることが大切!
年中さんは、慣れない玉結びに真剣!
縫い終わったら、裏返してアイロンをかけて、
自分で名前を書いた名札をアイロンで貼り付けて、
完成!
お昼ご飯のときに使っている人もいます。
なかには、「縫うのが楽しかったから布買ってもらったんだ~」という人も。

今は縫うお仕事に夢中な人たちもいます。
紙を縫うのにも、印の所に穴を開け、縫うものに合わせて糸の長さを測って切って、針に糸を通して、糸の端と端を合わせて玉結びをして、いよいよ縫います。
縫うときにも「穴に刺したら、裏返して、出てきた針をつかんで引き抜く。」の繰り返しと最後に玉結び。たくさんの工程を繰り返すことが、ランチョンマット作りに繋がっているんです。

これからも子どもたちの成長に合わせて環境を整え、良い育ちに結びついたら、と願っています。
 

 毛糸や布を寄付してくださった保護者のみなさま、ありがとうございました。
今回紹介したもの以外にもミサンガ作りや手編み、リリアン編みなど、毛糸の活動がたくさん行われています。
 またモンテッソーリのお仕事は、できたものを持ち帰れるものに目が向けられ、子どもたちも取り組みやすい傾向にありますが、子どもたちの持っている力を育てる教材・教具はたくさんあります。
また第2弾でモンテッソーリのお家でのお仕事を紹介いたします。

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